「市民による軍事費仕分け」に向けて公開質問状

来る2月5日の「市民による事業仕分け――2010年度防衛予算を斬る!」
に向けて、先週、議員会館と財務省を訪ね、以下の方々あての公開質問状
と案内(チラシ)を届けてきました。   [転送・転載歓迎]

北澤俊美防衛相、榛葉賀津也防衛副大臣、長島昭久・楠田大蔵防衛政務官、
鳩山由紀夫首相、岡田克也外相、菅直人財務相、藤井裕久前財務相、仙石
由人行政刷新相、枝野幸男「仕分け」統括役、蓮舫・田嶋要「仕分け」議
員、福島瑞穂社民党党首、阿部知子社民党政審会長、亀井静香国民新党代
表、市川健太財務省主計官

回答期限は2月3日(水)。政治家に無駄な軍事費を「仕分け」する力量が
ないのですから、せめて主権者、納税者からの質問には誠実に答えるべき
でしょう。

 ◆市民による「事業仕分け」―― 2010年度防衛予算を斬る!
  2月5日(金) 午後7時~9時
  東京・富士見区民館 洋室C [飯田橋駅徒歩5分]
  案件:ミサイル防衛、大型ヘリ空母、米軍再編
  仕分け人:杉原浩司、木元茂夫、山口響
  資料代:500円
  [主催]「防衛予算仕分け」市民集会実行委員会

  詳細 → http://www.geocities.jp/nomd_campaign/shimin_shiwake.html

【参考】
発売中の『週刊金曜日』1月29日号所収のインタビュー記事「政治主導に
軍事思考が入り込んできた」(水島朝穂さん)においても、MDやヘリ空
母、新戦車などへの鋭い批判が展開されています。ご一読をお薦めします。

………………………………………………………………………………

【市民による「防衛予算仕分け」に向けた公開質問状】  2010年1月27日

 私たちは平和問題に取り組んでいる市民グループ・個人からなる実行委
員会です。来たる2月5日、飯田橋において「市民による事業仕分け ――
2010年度防衛予算を斬る!」と題した公開企画を行います。国会で審議さ
れる2010年度政府予算案の防衛予算について、市民の立場から検討を加え
ようとする試みです。政権交代にも関わらず、残念ながら旧政権と同様に、
防衛省主導の予算案になっているように思えます。本来は予算委員会等で
しっかりと議論が行われ、改めるべきは改め、削るべきは削るという作業
が行われるべきです。

 そこで、今回の試みを実際の予算審議に反映させるために、予算編成の
キーパーソンとも言うべき関係者の方々に、事前に質問させていただき、
企画の参考にしたいと考えました。そのうえで、当日の「市民仕分け」の
結果(評価シート)を皆さんにも届けたいと思います。お忙しい中、限ら
れた時間で恐縮ですが、質問に率直に答えていただき、以下の送り先まで
ファックスしていただきますようよろしくお願いします。なお、ご回答は
当日の企画で公表するほか、報道関係者等にも公開しますのでご了解くだ
さい。

(万が一ご回答を固辞される際も、理由も含めてその旨ご返事いただくよ
うお願いします)

【回答期限】   2010年2月3日(水) 必着

【回答ファックス送り先】 (FAX)03-6424-5749 (ピープルズ・プラン研究所)

【主催】 「防衛予算仕分け」市民集会実行委員会


[質問項目](直接ご回答者を指定させていただいているものには、
        ご本人のみお答えください)

<全体>

①新政権が予算編成にあたって当初強調した「ゼロベースでの見直し」は、
実際の防衛予算案にどのように反映されているのか。

②防衛予算の総額は4兆7,903億円となり、近年の微減傾向から一転して前
年度比0.3%増となった。民主党は、かつて防衛費5,000億円削減を掲げた
こともあり、軍縮を目指す社民党も今回連立に加わった。「事業仕分け」
等で「無駄を省く」と喧伝したにも関わらず、防衛予算は依然として「聖
域」扱いとなり、結局増額さえ行われた。その理由は何か。

③ごく一部の項目が「事業仕分け」対象となり議論が公開されたが、予算
案の最終決定は不透明な密室状態で行われた。旧態依然たるやり方を転換
し、今後は最終プロセスをも公開する意思はないのか。

④「防衛計画の大綱」改定と「中期防衛力整備計画」の策定は、2010年末
まで1年先送りされた。この際、恣意的な人選に基づき任命した「有識者
懇談会」の答申に従い策定するという方法を、抜本的に改めるべきと考え
る。例えば、地方・中央・北東アジア公聴会、参考人質疑、タウンミーテ
ィング、現場視察、住民・NGO等へのヒアリング、パブリックコメント
等を組み込み、多様な民意を反映し得る形に刷新することを検討すべきと
考えるがどうか。また、「有識者懇談会」を設置する場合でも、少なくと
も立場の異なる多様な「識者」を人選すべきと考えるがどうか。

⑤防衛予算策定の背景に、自衛隊や防衛官僚の天下り枠の確保があること
が今なお指摘されている。抜け道なしの天下り全面禁止を行う意志はある
のか。

⑥09年12月17日に閣議決定された「防衛予算の編成の準拠となる方針」
(以下、「準拠方針」)では、「現大綱の考え方に基づき」、「老朽化し
た装備品の更新」や「旧式化しつつある現有装備の改修による有効利用」
を行うと明記している。それにも関わらず、予算案は現大綱の規模を超え
るPAC3の事実上の追加配備(レーダー等のPAC3対応型改修)や、
「規模、能力ともはるかに上回る」(市川健太主計官)大型ヘリ空母建造
費の計上などに踏み込んでいる。これらは、「閣議決定詐欺」ではないの
か。これらの装備計上を正当化する根拠は一体どこにあるのか。

⑦財務省の市川健太主計官は、「事業仕分け」において「大綱見直しや次
期中期防を先取りする装備品の取得は原則として見合わせ、新規後年度負
担を厳しく抑制すべき」と表明していたにも関わらず、なぜ原則を逸脱す
る装備要求を認めたのか。

<PAC3用改修費などMD経費>

⑧「準拠方針」では「弾道ミサイル対処能力を付加されていない高射群に
ついては、現有機能の維持に必要なシステム改修に取り組む」と明記され
ている。しかし防衛省は、対航空機用PAC2のソフトウェアの保証期限
切れ(2012年度まで)と4年国債による新版購入方式を理由として、PA
C3にも対応可能な新バージョンへの改修を不可避と説明。「現有機能の
維持」を超え、現大綱の水準をも超える事実上のPAC3追加配備を誘導
した。しかも、こうした事実は納税者にほとんど知らされていない。ソフ
トウェアの保証が切れることがどれほど問題になるのか、また、4年国債
による購入方式を変える余地はないのか、などの疑問点は何ら明らかにさ
れていない。これらの点を解明し、「政治主導」により改修経費の計上を
撤回する意志はないのか。

⑨岡田外相は、09年11月24日の閣僚委員会の場で、「防衛予算のかなりの
部分を占めるPAC3は、有効性について国民に理解される説明が求めら
れる。2010年度中に十分に検討すればいいのではないか」と述べ、藤井財
務相(当時)も賛同したと報じられた。また、翌日25日には福島社民党党
首(消費者相)もPAC3経費計上への異論を表明した。今回、事実上の
PAC3追加配備経費が計上されたことを受けて、岡田、藤井、福島三氏
は予算案を認めたことについて説明責任を果たすべきではないか。

⑩能力向上型迎撃ミサイル「SM3ブロック2A」の日米共同開発経費が
191億円計上されている。大陸間弾道弾(ICBM)の迎撃も可能とされ
るこのミサイルは、米海軍兵士に「ビースト(野獣)」と呼ばれ、「軍事
のルールを変える」とさえ言われている。これは、米国向けミサイルの迎
撃という集団的自衛権の行使にも直結しかねないものである。米国は、こ
のミサイルを新欧州MD計画の柱に位置づけており、既にゲーツ米国防長
官は欧州への輸出のために、武器輸出禁止三原則を緩和せよと要求してい
る。鳩山首相が「武器輸出三原則の堅持」と「集団的自衛権に関する憲法
解釈の堅持」を表明している以上、現行の新SM3日米共同開発はいった
ん白紙に戻して精査する必要があると考えるがどうか。

<大型ヘリ空母(ヘリコプター搭載護衛艦)建造費>

⑪1,208億円という巨費が計上された大型ヘリ空母(22DDH)は、護衛
艦「しらね」の後継艦とされている。しかし、基準排水量で4倍、建造費
も3倍に達し、海自史上最大の軍艦となる。能力面でも「後継」ではなく
大幅な機能強化と言わざるを得ない。これは、「準拠方針」を著しく逸脱
しているのではないか。

⑫防衛省は依然として「護衛艦」(すなわち駆逐艦)という呼称を用いて
いる。しかし、導入推進派からさえ「排水量だけを見ても、これをヘリコ
プター搭載護衛艦=駆逐艦と呼ぶのはもはや詐欺」「22DDHはもはや多
目的空母であり、政治的に困難だから護衛艦と称するというのは、納税者
に対する背信行為である」(清谷信一『防衛破綻』)との厳しい批判がな
されている。この批判にどう答えるか。

⑬大型ヘリ空母導入の危険性についての認識が極めて不十分ではないか。
例えば、山崎眞・元自衛艦隊司令官は「(艦の)約40年の生涯において、
現在では想像もつかないような事態が生起することも考えられる」として、
「(F35戦闘機のような)垂直離発着機を搭載して、シーレーン防衛をも
行う」ことを予測している(『軍事研究』10年1月別冊)。ここで立ち止
まり、旧政権と防衛省・海上自衛隊が行ってきた装備要求を精査すべきで
はないか。

<海兵隊グアム移転費を含む「米軍再編」経費>

⑭米海兵隊グアム移転について――2009年に締結された日米協定は、確か
に日本の費用負担義務について定めているが、各年度にいくら負担すべき
か、負担をいつ開始すべきかについてまでは明示していない。米国で海兵
隊移転に関する環境アセスメントとそれを受けたマスタープランの策定が
終了していない以上、費用支出は本来であればまだできないはずである。
にも関わらず、日本政府が既に09年度に346億円を支出し、10年度予算案
においても468億円を計上しているのは、いかなる法的根拠によるものか、
見解を示されたい。

⑮在日米軍関連経費が過去最高の3,370億円に達している。米軍再編経費
が1,320億円と前年度から481億円も増額されたことが大きな理由である。
新政権が三党連立合意において「米軍再編と在日米軍基地のあり方の見直
し」を掲げたにも関わらず、なぜこうした予算計上が行われたのか。その
理由を示されたい。

<その他の装備>

⑯財務省が見合わせるべきとしていた新型戦車は、13両の調達費187億円
が計上されている。計上に踏み切った理由は何か。また、一体どこの地上
戦で使用する想定なのか、明らかにされたい。

⑰「JDAM」というGPS誘導爆弾の継続購入費(04年度予算から導入
開始)が盛り込まれ、F2戦闘機35機分のJDAM機能付加として、改修
部品の集中調達経費が計上された。しかし、JDAMは米軍がイラクやア
フガニスタンで多用してきた代表的な先制攻撃兵器である。「敵部隊の上
陸時の使用」という導入時の理屈がまやかしであることは、考案者自らが
告白している(潮匡人『自衛隊はどこまで強いのか』)。「専守防衛」を
表明する新政権は、明らかにそれを逸脱するJDAMの購入を中止すべき
であると考えるがどうか。

⑱その他、今回の「市民仕分け」の試みに対するご意見などがありました
ら、ご自由にお書きください。
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by nonukusandmd | 2010-02-01 00:11 | アクションの呼びかけ
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「ミサイル防衛(MD)」や「軍産複合体」の終焉をめざして、動向をウォッチ、反対の声を発信します。在日米軍・日米安保やイスラエル・パレスチナ、チェチェン関連などの動きも一部カバーしています。


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